damegami-sw25 · MMXXVIbuild 2026-09-16 02:52 JSTゆとシートを開く
· CAPUT V · CHRONICA · EX I
セッション#001 · 2026-01-03

父からの手紙

GM · あらくね · 1名参加
経験点 合計+3,310
ガメル 合計+15,564
名誉 合計+108
§ I
卓の概要
開催日
2026-01-03
GM
あらくね
§ II
参加 PC
1 名

概要

ルルツィナ村の異変調査に赴いた新米冒険者ゴットランド。蛮族の罠に掛かった絶体絶命の窮地を救ったのは、娘を連れた凄腕の冒険者ダリルだった。 未踏の遺跡、燃え落ちる村、連れ去られた父娘。魔術師の「実験」の果てに待っていたのは、人の面影を残した異形と、心を閉ざした少女。 一振りの斧と一通の遺書が、少女の十年後を変えることになる。

粗筋

異変調査の依頼を受けてルルツィナ村に到着したゴットランドは、村で蛮族の痕跡を発見し、討伐のため追跡に出る。だが森の中で蛮族の罠に掛かり、吊るされたところをボルグの群れに囲まれる絶体絶命の事態に。そこへ駆けつけたのが、娘ラウラを連れた冒険者ダリルだった。蛮族を退けたダリルはそのまま討伐行に同行を申し出る。荒っぽい口調の裏に娘への溺愛を隠さない父と、無口だが素直な娘。討伐を終えて村へ戻ると、村長から報酬とともに「最近見つかった未調査の遺跡」の話がもたらされた。

遺跡はかつて魔術師オーレリザァドが構えた実験施設。魔導文明時代の機構が今も生きており、カモフラージュの魔術が解けたことで姿を現したのだという。足を踏み入れたゴットランドが目にしたのは、作業机の上でかすかに蠢く肉片、そして人型の——明らかに小柄でなければはまらない——くぼみを持つ祭壇。嫌な予感が形になる前に、村人たちが血相を変えて駆け込んでくる。村が強大な魔獣に襲われ、ダリルが応戦している、と。

急ぎ戻った村は黒煙と炎に包まれていた。獅子と山羊の頭を持ち、尾は蛇、巨体を浮かべて飛ぶ異形の魔獣。ダリルは斧の一撃で獅子の目に深手を刻んだものの、重傷を負わされたうえ連れ去られ、ラウラもともに攫われた。魔獣の傍らにはローブの男。二つの影は、あの遺跡の方角へ飛び去ったという。村長は救援を強制せず、判断をゴットランドに委ねた。

再び遺跡へ。帯電した扉、脈打つ管の刺さったクリスタル、正気を失い涎を垂らして襲いかかる獣たち、罠の連なる回廊。その奥の小部屋で、柱に縛り付けられたラウラを見つける。拘束を解いても、少女はほとんど反応を示さない。彼女の父親は、もういない。ほとんど心を閉ざした少女と言葉を交わそうと試みながら、ゴットランドは最奥の扉を開く。

そこは床から天井まで幾重にも魔法陣が脈打つ部屋だった。収束点に繋ぎ止められていたのは、複数の生物を継ぎ合わせた肉体に人間の面影を残す獣——ラウラの父、ダリルの肉体を基に合成されたキマイラ。外縁に立つオーレリザァドは、血縁の絆を「指示を与える媒体」として娘を用いたこと、しかし彼女の心をまだ壊し切れていないことを、淡々と述べる。そして「観察の邪魔をなさらぬ程度に」と、手負いのキマイラをけしかけた。死闘の末、ゴットランドはキマイラを討ち果たす。遺されたダリルの遺品と遺書をラウラに手渡したとき、少女の中で何かがわずかに戻った。

村への帰還後、ギルドへの報告をもって依頼は完了。そしてこの物語は、十年後にもう一度だけ続きを見せる。

名場面

荒っぽい声の救援

罠に吊るされ、ボルグヘビーアームとボルグハイランダーに囲まれた新米冒険者。そこへ現れたのは、大きな斧を提げた男と、その後ろに隠れる少女だった。荒っぽい口調で蛮族を蹴散らし、当然のように討伐へ同行を申し出るダリル。道中の何気ない会話ににじむのは、冒険者稼業への迷いと、娘ラウラへの溺愛である。この旅路の穏やかさが、後の展開をいっそう重くする。

燃える村と、強制しない村長

遺跡から駆け戻った先にあったのは、黒煙と炎に包まれた村。「ダリル様はモンスターとの戦闘の末、重傷を与えた後連れ去られました。娘のラウラも一緒です」——沈痛な面持ちで告げる村長は、しかし救援を強制せず、判断を冒険者に委ねた。ダリルが最後に遺した抵抗の証は、獅子の目に刻まれた大きな傷だった。

「その子を連れて、ここまで来られたのですね」

最奥の魔法陣の間。オーレリザァドは侵入者よりも、連れられてきた少女に目を見開いた。キマイラがラウラの気配に身じろぎし、鎖が軋み、魔法陣の光が乱れる。「感情が残っているせいで、制御が不安定です」——父の肉体から造られた異形が、娘の前で迷いを見せる。実験の成否を語る魔術師の淡々とした声だけが、粘つく空気に響いていた。

十年後の赤髪

とある街道で、大きな斧の一閃が魔物を斬り伏せ、少女の命を救う。赤髪の綺麗な顔立ちのその冒険者は、感謝と憧れの眼差しを受けながら、今日も新米の手助けに日々を費やす。ラウラは立派な斧を振るうたび、父と、あの日自分を救ってくれた冒険者のことを思い出す——True END。