CAPUT V · CHRONICA · EX XXX
セッション#030 · 2026-09-15

リティア編1章:師匠の影を追うもの

GM · Jin7 · 4名参加
経験点 合計+13,760
ガメル 合計+30,670
名誉 合計+192

卓の概要

開催日
2026-09-15全 2 日(2026-09-15, 2026-09-17)
GM
Jin7
参加
4 名
結果
生存者4名を保護し、カーミラの影と奈落の魔域を討滅。師匠ストラドの行方は未判明
舞台
眠り屋村、西の森の廃屋、眠り屋村に発生した奈落の魔域

参加 PC

4 名

概要

一か月にわたり消息を絶った眠り屋村。その調査に赴いたリティア、エルナ、テラリア、ナヤツは、吸血鬼に蹂躙された村で、行方不明の師匠ストラドの足跡を見つける。弟弟子との再会、生き残った村人の証言、魔域が映す過去、そして自分によく似た女性の肖像。村を救うための探索は、リティア自身の出自と師匠の秘密へ触れる旅となった。

粗筋

音信の途絶えた薬草の村

ギルドで食事をしていた四人に、受付のミルカが持ち込んだのは、眠り屋村の調査依頼だった。良質な薬草とポーションで知られ、冒険者にもなじみ深い村との連絡が、一か月も途絶えている。様子を見に向かった行商人は三人。週に一人ほど送り出したはずが、誰一人として戻ってこなかった。

一か月という長さに、ナヤツは手遅れの可能性を口にした。テラリアはこれ以上の犠牲を防ぎたいと考え、リティアも、たとえ間に合わなかったとしても原因を突き止めて解決することが供養になると応じる。四人は食事を終えると支度を整え、村へ向かう馬車に乗り込んだ。

村の周辺は夜になるとマナが満ち、上質な薬草が育つ土地だという。しかし御者の語る近況は穏やかではない。一か月ほど前から、村に近づくと馬が怯えて動かなくなった。道中も、獣や蝉の声さえ聞こえない。やがて予告どおり馬が足を止め、エルナの《カーム》で落ち着きを取り戻しても、その先へ進もうとはしなかった。御者まで危険に巻き込むわけにはいかない。一行は馬車を降り、残る道を徒歩で進むことにした。

弟弟子との再会

道の先で出会った槍使いは、リティアと同じ師匠に学んだ弟弟子、バルターだった。親しげに「リティア姉」と呼びかけられ、彼女はいつものようにたしなめる。その短いやり取りの後、話題は二人の師匠へ移った。

師匠は、用事があると言って姿を消したまま戻っていない。リティアは冒険者になり、各地を旅しながら捜していたが、まだ手掛かりを得られずにいた。バルターにも居場所は分からなかったものの、生きてはいるだろうと彼女を励まし、自分も情報を集めると約束した。

バルターが追っていたのは、眠り屋村にヴァンパイアが出たという噂だった。失踪した行商人たちも、すでにその犠牲になっているかもしれない。血を吸われ、眷属としてアンデッドに変えられてしまったなら、討つほかにない。目的地を同じくする彼は報酬の分け前を求めず、一行へ加わった。

助けを求める姿と、夜番の語らい

夕刻、野営の準備をしていた一行の前に、村の方角から人影が現れた。助けを求めているように見えた相手へテラリアが声をかけると、返ってきたのは噛みつこうとする動きだった。彼女たちは、すでに吸血鬼の眷属へ変えられていた。

バルターの投擲を皮切りに、エルナの《カオスブラスト》とロロのブレスが敵を削り、ナヤツが三体をまとめて薙ぎ払う。テラリアの連撃に続き、リティアが刃と《スピリットナイフ》で残る敵を仕留めた。次々とクリティカルが重なった戦闘は、わずか一ラウンドで終わる。だが、倒れた者たちが全員女性だったこと、足跡が村へ続いていたことは、事件の不気味さを強めた。テラリアは家族へ届けられるよう、遺品を灰とともに回収した。

夜を押して進む危険を避け、一行はその場で休息を取った。見張りの時間、バルターは修行と一人旅で得た技をリティアに伝え、彼女は師匠から学び切れなかった秘伝を身につける。かつて師匠に宿敵を倒してもらった彼は、同じような被害者を増やさないために吸血鬼を狩っているという。エルナはそんな彼をギルドへ誘い、バルターも機会があれば訪ねると応じた。師匠の不在を語る夜に、二人の弟子の歩みと、今の仲間たちとの縁が重なっていった。

半日前に残された、大鎌の傷

翌日たどり着いた眠り屋村は、すでに荒れ果てていた。大軍に攻め込まれたというより、火災や暴動、混乱によって内側から崩れたような有様だった。入口には倒された眷属が残り、中央には胸元を大鎌のような武器で切り裂かれた、強力な女性ヴァンパイアの遺体があった。

エルナは、その首筋に何者かの歯形を見つけた。吸血鬼が、さらに誰かに血を吸われている。バルターによれば、二人の師匠はヴァンパイアから血を吸うことがあった。そして傷を改めて調べたリティアも、切り口に師匠の技を見いだす。死後まだ半日ほど。探し続けていた相手は、ほんの少し前までこの村にいたのだ。

痕跡は、普通なら見落としてしまうほどわずかだった。そこをエルナとロロ、妖精の助力がつなぎ、つま先へ強く力を込めたような跡を見つけ出す。行き先は西の森。村の調査も必要だと分かっていながら、また姿を消される前に追いつきたいリティアは、師匠の足跡を追って歩き出した。

吸血鬼の礼拝堂と、閉ざされた避難所

森の奥には、礼拝堂のような造りの廃屋があった。その前で倒れていた五体にも、大鎌で首を落とされた跡がある。中には不死の女王を祀る品々と、女性が書き残した日記が残されていた。

日記の主は「カーミラ様」に心酔し、唇を奪われたことを喜んでいた。その一方で体調は悪化し、やがて血の接吻によってアンデッドへ変えられている。肖像画の顔は、村の中央で倒れていたヴァンパイアと同じだった。カーミラが村人を眷属へ変え、師匠がその一味を討ったらしい。断片だった証拠が、ようやく一つの事件としてつながり始める。

しかし、師匠の足跡は屋敷で途切れていた。リティアが仲間へ語る師匠は、赤い髪と若い外見、老獪な物言いを持つ、伝説的なダークハンターだった。リティアやバルターが何人集まっても及ばないほどの相手を、ただ追いかけるだけでは捕まえられない。一行は村へ戻り、生存者と報告のための情報を探した。

宿の名簿は一か月前で止まり、助けを求める走り書きが残っていた。最後の記録には、派遣された商人のうち一人の名前もある。さらに商業ギルドの床下から流れる空気をたどると、隠された階段が見つかった。その先の石造りの扉は、内側から閉ざされていた。

四人の証言、村を覆うオーロラ

扉の向こうには、痩せ細った男性が四人、生き残っていた。警戒する彼らを説得し、ようやく聞き取れたのは、村が壊れるまでの経緯だった。

カーミラは村の創設者に連なる家の出で、もとは病弱で気弱な女性だった。ところが一年前ほどから性格が変わり、女性たちを惹きつけて人を集めるようになる。そして一か月前、村の女性たちが暴動を起こし、男性たちは避難所へ逃げ込んだ。半日前には、大鎌を持つ若く見える男がこの扉を訪れ、カーミラはノスフェラトゥになっている、討伐してくるから待つようにと言い残していた。

その男もまた、まだ戻っていない。討伐を終えたはずの師匠は、今どこで何をしているのか。一行はまず生存者の保護を優先し、バルターに見守りを頼んだ。エルナは連絡用のピアスを渡し、四人は残る建物を調べに地上へ戻る。

そこで目にしたのは、村の上空に揺らめくオーロラだった。奈落の魔域が生まれる予兆である。バルターには直ちに村人を連れて外へ出るよう連絡し、一行は神殿、倉庫、民家、酒場を急いで捜索した。ほかの生存者は見つからず、倉庫には知性ある何者かが物資を持ち去ったような跡、酒場には酒とは別の飲み物を探して荒らしたような跡が残る。そしてついに、黒い球体が空気を吸い込みながら広がり始めた。

リティアの《サーチアビス》が示した脅威度は9。危険な相手だが、放置すればさらに大きくなる。今のギルドで自分たち以上の戦力をすぐに揃えることも難しい。戻らなければ次の救援を呼んでほしいと外へ伝え、四人は魔域へ踏み込んだ。

魔域の中に映る、知らない過去

内部に待っていたのは、村や野営地を切り取ったような景色と、そこで起きた出来事を映す幻影だった。赤髪の大鎌使いが村を訪れる光景を見て、リティアは今度こそ師匠だと断じる。ただし、見えているものがどこまで事実そのものなのか、魔域が何を再現しているのかまでは分からなかった。

薔薇の絡まる寝室では、触れた者の魔力を吸い、血を得たように赤みを増す「紅のバラ」が見つかった。別の幻影には、まだ病弱だったカーミラが現れる。姿の見えないノスフェラトゥへ、力を得ればもう虐げられずに済むのかと問いかけ、男はそれを肯定していた。村を支配した吸血鬼の、その前の姿だった。

リティアは、見えない男の声に奇妙な懐かしさを覚えた。直接会った記憶はない。それでも身体の奥に何かが触れる。その感覚を仲間へは明かさず、一行は探索を続けた。

一人用の野営地には、バルターの使うものと同じ黒い結晶が二つ、そして師匠のものと思われる短い記録が残っていた。師匠には、果たさなければならないことがあるらしい。何の理由もなく弟子たちを置いていく人ではないと、リティアは語った。

続く幻影では、師匠がロケットペンダントを眺め、悲しそうな顔をしていた。何かを抱えているのだろうが、今の自分には手助けできることではなさそうだと、リティアは漏らす。テラリアは師匠を気にかけながらも、自分たちにしかできないことがあると彼女を励ました。目の前の魔域を止めるため、四人は先へ進んだ。

仲間へ向けられた牙

大扉の前では、黒い影となった三体のベビーヴァンパイアが行く手を塞いだ。通常の武器が効かず、魔法の武器を持たないテラリアは攻撃手段を失いかける。それでも敵を投げ倒して飛行を封じ、リティアの一撃につなぐことで、戦いに加わった。

さらに予想外のことが起こる。ナヤツを魅了しようとした吸血鬼がファンブルし、逆にナヤツへ魅了されてしまったのだ。その敵は求めに応じ、テラリアへ《エンチャント・ウェポン》をかけた。攻撃を通せないという窮地を、敵自身の魔法が解消する。

だが、もう一体の魅了は成功した。今度はナヤツが敵を守る側へ回り、リティアへ牙を向ける。彼女はそれをかわし、仲間たちはナヤツを倒すのではなく、術者を仕留めて魅了を解くことを選んだ。エルナの魔法、テラリアの連撃、リティアの必殺攻撃と《スピリットナイフ》が敵を倒し、ナヤツは正気を取り戻す。仲間同士で傷つけ合う事態を避け、一行は扉の先を探った。

ペンダントに描かれた女性

大扉には、ペンダント状の物をはめる窪みがあった。別の部屋に映るのは、朝方の村と、神殿に開いた黒い入口。そこを抜けた一行は、演説台の近くで、師匠が眺めていたものと同じようなロケットペンダントを見つけた。

開いた中には、色褪せた女性の肖像が収められていた。リティアによく似ている。しかし、彼女自身ではない。角のない、人間のように見える女性だった。姉妹はいないというリティアの言葉に、仲間たちは母親ではないかと考える。だとすれば、なぜ師匠がその肖像を持っていたのか。誰も答えられないまま、ペンダントが大扉の窪みと同じ形であることだけが確かめられた。

鍵を得て扉を開けると、最後の幻影が現れた。対峙しているのは、カーミラと師匠ストラド。カーミラが挑発すると、ストラドは彼女だけでなく、その主人も倒す必要があると告げる。弟子を連れていないことに触れたカーミラが勝ち誇る間もなく、師匠の刃は一瞬でその首を落とした。

けれど、そこで終わりではなかった。倒れたカーミラの身体から、影が抜け出してくる。師匠の幻影は消え、代わって四人の前には、カーミラの影と二体のベビーヴァンパイアが立ちはだかった。

弟弟子の帰還、カーミラの影との決戦

戦いの直前、後方から息を切らしてバルターが駆け込んできた。生存者を商人やギルドの者へ託した後、テラリアの武器では吸血鬼に攻撃が通らないことを案じ、援護に戻ってきたのだ。外から連絡を試しても、すでに魔域へ入った一行には届かなかったという。彼はテラリアの武器へ属性を与え、槍の貫通投擲でカーミラと眷属をまとめて狙った。

エルナはケットシーを呼び出し、《ブレイブハート》を味方全員へ行き渡らせる。先ほどナヤツを翻弄した魅了も、今度は通らない。テラリアが連撃を重ね、リティアは刃と《ペシミズム》で敵の攻撃と魔法を弱め、ナヤツが薙ぎ払いを叩き込む。吸血と再生で立て直そうとするカーミラに対しても、重ねた効果が回復を妨げた。

それでも決着は容易にはつかなかった。敵の回避に6ゾロが続き、会心の攻撃さえかわされる。鞭の茨はナヤツへ毒を残したが、彼は手番を迎えると、腹の不調を軽く口にして再び武器を振るった。その薙ぎ払いがついにカーミラを倒す。残った眷属をエルナが追い詰め、最後はリティアの51点の一撃が断ち切った。

村の朝に残ったもの

奥に現れた核を砕くと、一行は眠り屋村へ戻っていた。魔域は消え、生存者たちは無事にハーヴェスへ向かっている。村を襲った事件に決着をつけ、四人はギルドへ帰還した。その後、バルターも月に一度ほど顔を見せるようになった。

だが、リティアの師匠には追いつけなかった。カーミラはなぜ彼女のことを知っているようだったのか。姿の見えない男の声は、なぜ懐かしかったのか。師匠が眺めていた肖像の女性は誰なのか。そして、魔域の中で得たはずのペンダントは、なぜ消えずにリティアの手に残ったのか。

村を救う依頼は果たされた。リティアの手元には、以前にはなかった手掛かりがある。師匠の足跡を追う旅の第一章は、再会の代わりに一つのペンダントと、まだ解けない問いを残して幕を閉じた。

名場面

呼び方は変わらない弟弟子

「リティア姉」と呼ぶバルターに、リティアは「その呼び方やめなさいっていつも言っているでしょ」と返した。気安いやり取りをする弟弟子は、夜番には彼女へ秘伝を伝え、最後には村人の避難を終えて決戦へ駆け戻ってくる。師匠を捜す旅で再会した彼は、過去を知る相手であると同時に、今の仲間たちと肩を並べる協力者になった。

師匠を追うための6ゾロ

大鎌の傷から師匠の関与を疑っても、村には追跡できそうな跡がほとんどない。そこを突破したのが、エルナ側の6ゾロ、達成値22の追跡だった。彼女は手柄をロロと妖精へ譲り、リティアもロロを褒める。テラリアまでドラゴン語で声をかけた。リティア一人では見つけられなかった道を、仲間たちがつないだ場面だった。

扉越しの、理屈の通った説得

避難所の生存者は、外の相手を簡単には信用しない。そこでリティアが持ち出したのは、冒険者でなければ扉を蹴破って入っている、という身も蓋もない説明だった。相手はそれもそうだと納得して鍵を開ける。荒れ果てた村で初めて生きた人の声に届いた場面は、彼女らしい言い方で道が開けた。

「俺たちには俺たちにしかできないことがある」

ペンダントを悲しげに見つめる師匠の幻影を前に、リティアは今の自分には助けられそうにないと漏らした。テラリアはその気持ちを受け止めたうえで、「俺たちには俺たちにしかできないことがある」と声をかける。師匠に届かないもどかしさの中で、今ここにいる仲間と先へ進むことを選んだやり取りだった。

敵がくれた魔法の拳

通常武器が効かない相手を、テラリアは投げて転ばせ、仲間のために隙を作った。そこへ吸血鬼の魅了ファンブルが重なり、逆にナヤツへ惹かれた敵が《エンチャント・ウェポン》を使ってくれる。敵の失敗が味方の活路になる珍事に、卓は大きく沸いた。その直後にはナヤツ自身が別の敵に魅了され、今度は仲間が彼を傷つけずに取り戻すため戦うことになる。

よく似ているのに、知らない顔

ロケットの女性を見て、仲間たちはリティアの母親ではないかと話した。テラリアは綺麗な人だと伝え、ナヤツは、それならなぜ師匠が持っているのかと問い返す。似ていることは手掛かりになっても、正体の証明にはならない。魔域が消えても残ったペンダントは、答えを持ち帰った品ではなく、次に確かめるべき謎になった。

魅了を封じても、ダイスは止まらない

決戦では、エルナの召喚したケットシーが7倍拡大の《ブレイブハート》で全員を守り、カーミラ側の精神効果を封じた。一方で敵の回避には6ゾロが続き、ナヤツは毒への抵抗で1ゾロを出す。クリティカルとファンブルに歓声が交錯する中、カーミラを倒したのはナヤツの薙ぎ払い、最後の敵を仕留めたのはリティアの51点の一撃だった。師匠の幻影が一瞬で終えた戦いの先を、今度は弟子と仲間たちの連携が切り開いた。